水が入った500 mLのペットボトル1本を10 mの高さまで持ち上げるのと同等の仕事に必要なろうそくの消費質量を競います[下記に補足します]。
すなわち,1 m×10回,2 m×5回などのように,複数回の測定結果を合計してボトル1本×10 mに換算できます。また,複数のペットボトルを同時に持ち上げて1本×10 mに換算することも認めます。つまり,ペットボトル5本×2 mは1本×10 mに換算できます。ただし,全てのペットボトルを1 m以上持ち上げることが必要条件です。たとえば,ペットボトル100本を0.1 m持ち上げて1本×10 mに換算することは認められません。ペットボトル1本,高さ10 mあたりの消費質量で競います。
複数のろうそくを同時に使用してもかまいません。全ろうそくの消費質量を求めてください。
ペットボトルの持ち上げに要した時間,同時に持ち上げた本数は競技の対象ではありませんが,装置や動作の創意工夫に優れていれば評価します。
本競技では熱エネルギーから力学的エネルギー(位置エネルギー)への変換を目的としていますが,その間に電気エネルギーへの変換が入ってもかまいません。ただし,充電池・蓄電池の使用は不可とします。
実験装置の周囲は室温とします。冷凍機や氷などを用いて室温より低い温度を利用することは禁止します。室温の水は使用してかまいません。
[補足]競技の対象は持ち上げる時間ではなく,ろうそくの消費質量です。たとえば,「10 m」を1 m×10回に分割する場合には,ペットボトル1本を1 mリフトしたら直ちに火を消して手動で降ろす(自動でも可)作業を10回繰り返すことになりますが,この繰り返しに要する時間は問いません(ゆっくりでも早くても構いません)。なお,「10 m」の分割の仕方については,最小単位をボトル1本,高さ1 mとして,その組み合わせは任意です。例を挙げれば,ボトル2本(1 kg)を同時に1 m持ち上げる実験を5回繰り返す,あるいはボトル4本(2 kg)×1 mの実験2回とボトル2本(1 kg)×1 mの実験1回を合わせれば「1本×10 m」を達成したことになります。
実験を繰り返す際には,同じローソクを使い続けても,新しいローソクに交換しても結構です。いずれの場合も,使用したろうそくの消費質量の合計を測定してください。
1.最初にろうそくの質量を 1 mg の精度で計測しておきます。
2.ろうそくをリフティング装置に装着・点火し,装置の動作が所期の目的を達成したら直ちに消火します。
3.使用後のろうそくの質量を同じ計測器で測定して,前後の質量差を燃料使用量とします。
4.消火後に装置が作動し続けてペットボトルが上昇した場合には,その上昇分を持ち上げた高さに含めることができます。
火の取り扱いと後始末には万全の注意を払ってください。
ろうそくには市販されているものをそのまま使用してください。ろうそくを加工する,あるいは多数をまとめて同時に使用するなど危険を招く工夫はしないでください。
高圧ガス[常用の温度で圧力(ゲージ圧力)が 1 MPa (10気圧)以上となる圧縮ガス]を使用しないこと。
顧問教員または世話教員の指導・助言のもとで安全に十分に配慮して実験してください。